■死亡保険と生存保険
生命保険には、「死亡」と「生存」という考え方があります。
「死亡」は、もしも自分(契約者)が死亡してしまったとき、その後に必要な資金を残すためのものです。
ごくごく簡略化していえば、生命と引き換えた金銭ともいえるものです。
たとえば、それは遺された家族が生活していくための資金だったり、自分の葬式代だったりします。
「生存」は、基本的には期間を決めた保険で、生存していることで満期金を受け取ることができます。
つまり、銀行の定期預金と同じようなもので、その運用を生保会社に任せた積立商品というわけです。
しかし、生存保険には、ほとんどの商品で死亡保障がついており、双方の保障の組み合わせによって多くの商品が発売されています。
両方の保障があるものが「生死混合保険」です。
◆死亡保険
死亡保険では、保険期間の間に、被保険者が「死亡したとき」または「高度障害」となったときに保険金が支払われます。
高度障害とは、一般的に社会生活上欠くことのできない機能を「まったく」かつ「永久に失う」ほどの障害のことを指します。
例えば、次のような状態が、高度障害に当てはまります。
・両眼の視力を全く永久に失ったもの
・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
・中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
・胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
・両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
しかし、実際の高度障害の認定は、生保会社によって少しずつ違いがあるようで、
基本的には、その病状は終生回復の見込みがないこと、症状が固定した段階で、認定されます。
ですから、発病しても、良くも悪くも症状が固定しない場合、少しでも回復の可能性が期待できる場合(家族は、そう願いますから…)、高度障害には認定されないのです。
死亡保険には、大きく分けて以下の3種類があります。
◎定期保険
一定の保険期間が定められており、その間に死亡した場合にのみ死亡保険金が支払われます。
満期保険金や解約返戻金はありません。
一定期間のうちに死亡しなければ、保険料は「掛け捨て」となります。
つまり、万が一の時の安心代ですね。
掛け捨てですから、終身保険と比較すると、保険料は安くなります。
また比較的小額の保険料で、高額な保険金の保障を受けられます。
◎終身保険
終身保険とは、死亡するまで一生涯の保障を受けられる保険のことです。
ですから、いつかは必ず死亡保険金を受け取ることができます。
保険料は定期保険よりも高額になります。
解約返戻金があります。
長く掛けていると、ライフスタイルも変わり必要な保障内容も変わってくるので、
解約返戻金を利用して、老後資金にすることもできます。
◎定期付終身保険
定期保険と終身保険の目的を合わせ持った保険のことです。
たとえば、子育て中には、遺された家族の生活費や教育費が必要なため、死亡保障を多く設定しておくなど、期間によって内容をかえることができます。
一般的には、主契約を「終身保険」にし、「特約」で一定期間内だけ死亡保障を厚くするための「定期保険」を利用します。
◆生存保険
生存保険では、被保険者が満期時に生存しているときに保険金が支払われます。
死亡の対価として金銭が支払われる死亡保険とはまったく逆の考え方で、生きているための保険なので、いいかえれば「老後のための積立」目的が、生存保険です。
生存保険と言えば、「年金」です。
年金とは、あらかじめ自分で積み立てておいた金銭を、収入が無くなった後などに、分割して支払ってもらうものです。
日本には公的年金というシステムがありますが、本当に生活に十分な金額が保障されているわけではありません。
ほとんどの人が生活資金として、銀行に預金したり生命保険の年金を積み立てたりして、老後の資金を準備しているのです。
<受け取り期間による分類>
◎確定年金保険
被保険者の生死に関係なく、契約した一定期間には年金が支払われるものです。
もしも受け取り期間中に無くなってしまったら、遺された遺族が受け取ることができます。
◎有期年金
契約した期間内に、被保険者が生存している場合に年金が支払われるものです。
◎終身年金
被保険者が生存している限り、死亡するまで年金が支払われるものです。
<目的別分類>
◎貯蓄保険
短期的な貯蓄を目的とした保険です。
一般的には、3年〜10年未満程度の定期商品が多いようです。
保障メインというよりは、金融商品に保障がついていてオトク感がある商品といったものです。
しかし、一般に銀行に預金するよりは、高利率で設定されており、貯蓄商品として人気があります。
通常は、元本を割る事はありませんが、中には、利率が変動するものもあります。
貯蓄性を追求したものは、たいてい加入時に医師の診断を必要とせず、年齢によって保険料が変わる事もないため、気軽に加入することができます。
しかし、そのぶん生命保険としての保障内容は他の保険よりも薄くなってしまいます。
◎個人年金保険
老後に必要な生活資金を、自分で積み立てておく年金商品です。
一定期間保険料を払い込み、保険料として積み立てた資金を原資として、契約で定められた年金を受け取ります。
◆生死混合保険
死亡保険と生存保険を組み合わせたもので、ほとんどの生存保険が、このタイプにあてはまります。
被保険者が死亡したときには「死亡保険金」が支払われ、
満期時に生存しているときには「生存保険金」が支払われます。
◎こども保険(学資保険)
将来の教育資金を計画的に貯蓄するための生存保険。
生きていることが前提で、満期時に積み立ててきた金額が支払われますが、被保険者(親)が、万が一死亡した時にでも満額保障されるように死亡保険をプラスしているのが特徴です。
死亡保険が一緒になっている分、貯蓄商品としてはあまり高率ではなく、保障を多くすると、払い込み金額の総額が、満額を上回ることがあります。